この世界の内、より正確に言えば、我々の意識の世界の内には、
常に流れて絶えず移ろいゆくものと、決して移ろいゆくことがなく永遠に変わらずにとどまり続けるものとがある。
それを、かつて、ヘラクレイトスはロゴスと呼び、プラトンはイデアと呼び、スピノザは永遠の相と呼んだ。
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いずれにしても、
世界が終末の時を思わせるような一つの大いなる危機に瀕しているこの時に、筆者は、日々流れていく自らの思考を一つ一つの言葉と文章につなぎとめておくために、一つの新たな事業をはじめたいと思う。
世界は必ずやこの危機を乗り越えることになるだろう。
かつて、100年前にスペイン風邪の危機を乗り越え、その後も、いくつかの戦争と経済危機を乗り越えてきた時と同じように、
しかし、私という個人が、世界がこの危機を乗り越えることができた後にも変わらずに続いていくことができるのかということについては誰も分からない。
それは、この世界の内に存在している一人一人のすべての人々にとっても同様である。
それゆえ、今回の危機は、世界そのものの存続の危機というよりは、一人一人の人間自身に課せられた危機であり、より正確に言えば、世界のすべての人々に対して平等に課せられた危機であり試練ということになる。
そして、それは、常に形を変え、姿を変えて、我々の前に繰り返し現れ続けるあの危機であり試練でもある。
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筆者は4年ほど前から「TANTANの雑学と哲学の小部屋」というサイトで雑学や哲学についての記事を数多く執筆してきた。
そこでは、哲学を中心とする様々な分野における知識や情報を独自の視点から有機的に結びつけていき、その本質をあくまでも客観的な観点から解き明かしていくことを目的として執筆を行ってきたが、
今日この日からはじめる新しいブログでは、冒頭でも書いたように、
移ろいゆくものと永遠にとどまり続けるものについての筆者の主観的な観点からの見解も含めた独自の思考を書き表していきたいと思う。
ここで言う、決して移ろいゆくことがなく永遠に変わらずにとどまり続けるものとは、すなわち、哲学的な思考であり、
移ろいゆくものとは、日々、目まぐるしく移り変わっていくこの世界の内の出来事と、その時々で私の心の内に映ることになる様々な表象についての時事考察である。
その中心へと向かう思考の深さと、周縁へと向かう考察の広さとが合わさることによって世界全体の姿が解き明かされていくことになる。
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