世界全体における新型コロナウイルスの感染者数は4月2日についに100万人を超え、死者数についてもそのおよそ1週間後にあたる4月10日には10万人を超えている。

4月11日までに確認されている世界全体の新型コロナウイルスの感染者数は1,779,743人、死者数は108,779 人となっていて、目下のところ世界全体におけるウイルスの流行拡大の流れはとどまるところを知らない。

しかし、その一方で、世界各国におけるウイルスの感染拡大の個々の状況についてはそれぞれの国ごとに大きな差があると考えられる。

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イタリア・ドイツ・アメリカ、中国・韓国・台湾といった世界各国における新型コロナウイルスの流行拡大の規模の違い

例えば、ヨーロッパ大陸における流行拡大の震源地となったイタリアでは、3月下旬ごろに1日あたりの新規感染者数が6000人を超える感染拡大のピークを迎えたのち、現在においても毎日4000人前後の新規感染者が発生していて、感染者の総数は152,271人、死者数も19,468人となっていて、実に12%超える致死率となっている。

それに対して、同じヨーロッパのなかでも、ドイツにおける新型コロナウイルスの流行では、感染者の総数そのものは125,452人とイタリアに迫るほどの数となっているものの、死者数は2,871人となっていて、致死率という点では2%ほどの値に抑えられている。

また、欧米諸国のなかでは、目下のところアメリカでの感染拡大が最も深刻になりつつあると考えられ、4月11日時点でのアメリカの感染者数は532,879人、死者数も20,577人となっていて、現在も毎日、感染者は3万人、死者は2千人のペースで増加し続けている状況にある。

それに対して、今度はアジア大陸へと目を向けていくと、

新型コロナウイルスの流行の当初の震源地となった中国の武漢を中心とする湖北省においては、都市封鎖と呼ばれるような強硬な感染防止措置がとられた1月23日から2~3週間後にあたる2月中旬ごろに1日あたりの新規感染者数が3000人を超えるピークが続いたのち、流行は収束へと向かっていき、現在では中国全体でも1日あたりの新規感染者数は100人を下回る日がデータのうえでは多くなっている。

また、イタリアと同時期に新型コロナウイルスの感染拡大がはじまった韓国では、2月末から3月初頭にかけて1日あたりの新規感染者数が800人を超えるピークを迎えたのち、急速に流行は収束へと向かっていき、ここ数日の新規感染者は毎日40人以下の水準で抑えられている。

そして、新型コロナウイルスの流行がはじまった当初から厳格な入国管理を行い、国民全体で一致団結して徹底したウイルス感染防止対策をとってきたことで知られる台湾では、感染者の総数は385人、死者に至ってはわずか6人となっていて、これは台湾の人口がおよそ2400万人と比較的少ないことを割り引いても驚くほど少ない被害に抑え込むことに成功しているとみなすことができる。

ちなみに、台湾の人口の半分よりも少し多い1400万人ほどの人口を持つ東京では、世界全体で見るといまだ流行の拡大はそこまで深刻とは言えないものの、すでに1902人の感染者が発生している。

それでは、こうしたイタリアやドイツやアメリカ、あるいは、中国や韓国や台湾といった世界各国における新型コロナウイルスという同じウイルスによる流行拡大の規模の違いは、各国におけるいったいどのような社会的要因によって決まっていくことになったと考えられることになるのだろうか?

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中国における強力な社会統制とドイツにおける医療水準の高さに基づくウイルスの流行拡大の抑制

そうすると、まず、

こうした新型コロナウイルスの流行拡大を抑制する最も分かりやすい要因としては、その国を統治する政府によって下される社会統制の強さという要因が挙げられる。

中国の武漢においては、都市封鎖とも呼ばれる強権的な社会統制が行われることによって、個人の自由や権利あるいは日常生活や経済活動といったものが著しく制限されることと引き換えに、ウイルスの流行拡大は急速に収束へと向かっていくことになったと考えられる。

しかしその一方で、専制的な政治体制をとらない民主主義国家や自由主義を標榜する欧米諸国を中心とする多くの国々にとっては、そうした市民生活や個人の人権の抑圧にもつながる国家の強権を発動することは困難であるため、外出禁止や企業活動の停止といった感染拡大の抑止につながる部分的な要請を出すことはできても、その影響の範囲は限定的なものにとどまらざるを得ないと考えられる。

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また、その他にも考えられる要因としては、それぞれの国における医療レベルの高さや患者を受け入れたりウイルス検査を行ったりすることができる医療体制のキャパシティーといった要因も挙げることができる。

なぜならば、それぞれの国における医療水準のレベルを超える患者が病院へと殺到して医療崩壊となれば、病院を介した感染拡大が広がっていくことによって、その国におけるウイルスの流行拡大にさらに拍車がかかってしまうことになるからである。

実際、自由主義を標榜する民主主義国家であるヨーロッパ諸国のなかでは、ドイツは自らが誇る医療レベルの高さによって、イタリアやスペインあるいはフランスなどといった他のヨーロッパ諸国と比べた場合、致死率を低く抑え込むことに成功しているが、

こうした各国における医療水準の高さという要因は、感染者への適切な対症療法による致死率の抑制へとつながるだけではなく、医療崩壊を防ぐことを通じてウイルスの流行拡大そのものを抑制へもつながる重要な要素の一つとなっていると考えられるのである。

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社会統制・医療水準・衛生観念・国民全体の協調性という四つの要素のかけ算によって導かれる人間社会のウイルスへの抵抗力

しかし、そうは言っても、ドイツや日本のような医療先進国と呼ばれるような国々においても、結局はそうした医療資源には一定の限界が必ずあるので、ウイルスの感染拡大がどこまでも無制限に進行していくことになれば、どこかの時点において医療崩壊を通じた感染爆発という事態を免れることができなくなると考えられる。

そして、そうした民主主義あるいは自由主義国家において、アウトブレイクやオーバーシュートと呼ばれるような感染の爆発的な拡大という事態が進行していきそうになった時に、そうした爆発的な感染拡大の流れに歯止めをかけることができる要素というのは、

結局のところ、社会全体のレベルにおける衛生観念の高さと、国家による強制ではなく個人の自由意志に基づく一致団結した協調性の強さというところに求められることになる。

社会全体における衛生観念というのは、国民一人一人が自らの日常生活において、丁寧な手洗いやマスクの着用といった衛生的な生活を常に心がけていくことを意味し、

国民全体における協調性というのは、政府や自治体から発表された外出や経済活動の自粛要請に国民一人一人が自らの意思で応じることによって感染拡大の防止に適切な社会秩序が自律的に形成されていく状態のことを意味する。

そして、そういった意味では、

台湾や韓国といった自由主義を標榜するアジアの民主主義国家において、新型コロナウイルスの流行拡大がある程度抑止することができている理由としては、

政府が適切なレベルでの感染防止対策を行っているという要因のほかに、そうした政府による適正なレベルでの社会統制を支えていく国民全体のレベルにおける衛生観念の高さと一致団結してウイルス感染防止に取り組もうとする自律的な協調性の強さにその大きな要因を求めることができると考えられるのである。

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つまり、一言でまとめると、

感染を拡大していくウイルスの力に対して、こうした社会統制・医療水準・衛生観念・国民全体の協調性という四つの要素のかけ算によって導かれることになる人間社会の側の抵抗力が上回ることになれば、

その時点においてウイルスの感染拡大の波は止まり、新型コロナウイルスの流行は収束へと向けて流れを大きく変えていくことになると考えられるということである。

そして、

もともと社会全体における衛生観念の意識が高く国民全体のレベルでの同調性や協調的な秩序意識も強いと考えられる日本においても、そうした日本人が本来持っている衛生観念や協調性の強さといった要素をできる限り活かして感染拡大の防止に努めていくことによって、

日本国内における新型コロナウイルスの流行も手遅れとなるレベルにまで進行していってしまう前に、そうした感染拡大の流れを食い止めて、流行の収束へと導いていくことができると考えられるのである。

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